障害者のIT視線における、視線入力についてです。
1. 障害者IT支援と視線入力
障害の有無に関わらす、視線入力は機器操作を効率的に行える便利な方法です。
しかしながら、その恩恵は身体に何らかの障害がある場合は特に大きいでしょう。
視線入力は現状、パソコンに接続するタイプの物が安価で主流なので、「パソコン」+「視線検知機器」という組み合わせが視線入力でIT機器を操作する方法になります。
2. 視線入力を検討する流れ
2-1. 視線入力の前に検討すること
身体障害などにより体の動きが不自由だと、パソコンやタブレットなどの機器操作が難しい場合があります。
一方で、体が不自由で外出しにくい。声を出しづらいから話しにくい。
そういった方たちにとってパソコンやタブレットは人とコミュニケーションをとったり余暇活動をしたりと重要な道具になります。
身体に障害があって、それでもパソコンやタブレットといったIT機器を操作したい。
そんな場合、まずは標準設定を変えて見たり、マウスやキーボードといった周辺機器を工夫してみたりします。
それでも操作が難しい場合、スイッチによる操作を検討します。
補足記事:スイッチの適応
2-2. どんなときに視線入力?
しかしながら、障害の状況によってはスイッチでの操作も難しい場合があります。
例えば筋萎縮性側索硬化症(ALS)が進行した状況の方だと、体がほとんど動かない場合もしばしば。
そんなとき「体を動かすことが難しいけれど、眼球を動かすこと、つまり視線の操作はできる」というケースがあります。
あるいは、「体の動きはあるけれど、それだけでは機器操作に時間がかかったり疲労がたまりやすい」といったケース。
このような場合、視線での機器操作を検討します。
2-3. 視線入力のための環境
安定して視線入力を行うためには、パソコンに視線検知のための機器をつなぐという方法が現実的かと思います。
一般的なパソコンに視線検知のための機械をつなぐやり方が最もコスパがいいでしょう。
もっと詳しく:今、障害者の視線入力ってどんな感じ?
3. 視線入力機器
視線入力の機器はいろいろありますが、コスパがいい物の1つはTobii Eye Tracker 4C(トビーアイトラッカーフォーシー)でしょう。
価格は2万円弱くらいです。
補足記事:Tobii Eye Tracker 4C とは?~障害者の視線入力~
4. まとめ
視線入力機器の価格が下がってきたり、種類が増えたりで以前より「目で見てIT機器を操作する」ということが身近になりつつあります。
視線入力により、
・これまで機器操作の手段がなかった人に選択肢ができた
・体の動作に疲労性がある人が視線により楽に操作できる
・より効率的に機器操作ができる
といった恩恵が期待できます。
これまで「IT機器を操作していろんな活動をしたいけれど、体が思うように動かなくて我慢していた」という人が、これからいろんな活動に挑戦できたらいいですね。