昨今の障害者IT支援や特別支援教育において、視線入力ってどんな位置づけなのでしょう?
1. 障害者の視線入力ってどんな感じ?
2. 従来の視線入力
3. 昨今の視線入力
3-1. 福祉機器と一般市場の結び付き
3-2. Tobii Eye Tracker 4C
3-3. 視線入力という選択肢
4. まとめ
5. その他の記事
1. 障害者の視線入力ってどんな感じ?
パソコン画面を見ることで、機器が視線の動きを検知し、機器を操作できる視線入力。
技術と市場の進歩により以前よりも安価で導入できるようになりました。
現状、障害をもった方が視線入力を導入したいと思った場合、
・Windowsのパソコン
・視線入力機器(Tobii Eye Tracker 4C)
による視線入力がもっともオーソドックスかと思います。
視線入力機器は現状、Tobii Eye Tracker 4Cという機器が最もコスパがいいでしょう。
価格は2万円弱。
つまり、パソコン代+2万円で視線入力は導入できます。
2. 従来の視線入力
例えばパソコン画面を見て、見たところをクリックできたり。
障害者のIT支援において視線の動きで機器を操作できることを視線入力と言ったりするわけです。
昔は視線入力というのは技術的にもけっこう難しくて機器の値段も高かったです。
だいたい100万円くらいは覚悟しておかないといけなかったので、そもそも個人の選択肢からはずれることもしばしばでした。
そんな感じなので、従来の視線入力は障害をもった方の機器操作方法の最終手段といった位置づけだったんですね。
身体に障害があってパソコンが操作できない。
↓ 方法を考える
コントローラーなどでマウスを代替してみる。
↓ それでも難しい
1スイッチでスキャン操作をする
↓ それでも難しい
視線入力やってみる?
といった感じだったわけです。
3. 昨今の視線入力
福祉機器と一般市場の結び付き
それが、時代の変化の中で変わっていくわけです。
障害者のIT支援全般に言えることなのですが、基本的に福祉機器って性能の割に高額なんですよね。
そして、福祉機器が安くなるためにはいかに一般市場と結び付けるかが重要になるわけです。
例えば声を出せない人が文字を打って会話をするためのトーキングエイドという機器がありました。これは当時10万円くらい。
けれど今は、iPadやスマホが普及し、タッチ画面による機器が簡単に手に入ります。
アプリが市場にたくさん出回るようになりました。
今ならトーキングエイドに類似したアプリが無料で手に入れることも可能です。
例えばかなトークとか。
Tobii Eye Tracker 4C
視線入力も一般市場との結びつきにより状況は変わりました。
視線入力に関する機器において有名なメーカーにトビーがあります。
トビーが発売しているTobii Eye Tracker 4Cという機器。
Tobii Eye Tracker 4Cは2万円弱で一般のパソコンで視線入力ができる非常に便利な機器です。
従来の視線入力の相場である100万円から一気に2万円。この変化は大きいかなと思います。
Tobii Eye Tracker 4Cは別に障害者専用の福祉機器というわけではありません。
視線入力によるゲームなども想定した機器なわけです。
ゲームにも使える、障害をもった方にも使えるといった機器なわけです。
もっと詳しく:Tobii Eye Tracker 4C とは?~障害者の視線入力~
視線入力という選択肢
Tobii Eye Tracker 4Cにより安価で視線入力が導入できるようになりました。
これにより状況は大きく変わります。
従来は最終手段的であった視線入力が、もっと早い段階で選択肢に挙がるようになります。
なぜなら視線入力は身体を動かす労力が少ない割に操作速度は速いから。
使いこなせば効率的に機器を操作できます。
安価で導入できるので、他の機器操作との併用も期待できます。
4. まとめ
従来は視線入力は「他の方法が全部ダメで、それでも機器を使いたくて高額なお金も出せる人が選べる最終手段」といった感じでした。
今は「他の支援方法と並行して導入を検討するものの1つ」といった感じです。
例えばマウスの操作が難しい方がコントローラーによるパソコン操作を検討する場合、視線入力の補助があることでより効率的な操作が期待できます。
また、進行性の疾患の場合は今は視線入力が必要なくても将来的に使うことを想定して今のうちに練習しておくというパターンもあります。
いずれにせよ、視線入力が導入しやすくなったことで、障害者のIT支援はより広い視野で行うことが必要になってくるわけです。