障害者に視線入力を導入するとき気をつけることをピックアップしていきます。
1. 視線入力で気をつけるポイント
2. 症状別の視線入力の対応
2-1. 寝た状態でパソコンを操作する場合
2-2. 眼振がある場合
2-3. 斜視がある場合
3. セッティングと設定
4. まとめ
5. その他の記事
1. 視線入力で気をつけるポイント
最も安価に視線入力機器を導入する方法として、Tobii Eye Tracker 4C があります。
トビーアイトラッカーフォーシーだと、2万円弱でパソコンが視線入力装置になります。
補足記事:Tobii Eye Tracker 4C とは?~障害者の視線入力~
スムーズな視線入力のためには機器の固定位置と、視線検知のための設定が重要になってきます。
その人の視線の動きの傾向を捉えて検知しやすくする設定段階をキャリブレーションと言ったりします。
以下、キャリブレーションを行う上で気をつけることを挙げていきます。
2. 症状別の視線入力の対応
2-1. 寝た状態でパソコンを操作する場合
障害の状況によっては通常の座った姿勢でパソコンを操作できない方もいるでしょう。
・リクライニングを極端に倒す
・寝たままの状態
・横向きで寝ている
などなど。
視線入力はその人の座り方に応じてパソコンの位置と向きを変えないといけません。
Tobii Eye Tracker 4C などの視線入力機器は、パソコンにくっつけた状態でないといけないので、視線入力機器とパソコンを一緒に位置を変えないといけません。視線入力装置だけ患者さんの顔の近くに持っていってもダメなのです。
ですので例えば横向きで寝ている場合、パソコンも横向きにしないと視線検知が難しいです。
2-2. 眼振がある場合
自分の意思とは無関係に眼球が動いてしまう症状、眼振。
程度にもよりますが、
眼振があっても普段から物を見ることができていれば視線の検知は可能です。
ただし、眼振の程度によっては
視線の動きが安定しない、一点を注目し続けることが難しい場合があります。
また、人によっては顔を傾けたりして片方の目で物を見る習慣がある場合、片方の目しか機器が検知しなかったり検知が安定しない場合もあります。
2-3. 斜視がある場合
片方の眼球の向きが視線と正しくない方向を向いている斜視。
斜視がある場合、視線の向きに正しく向いている片方の目のみ機器が検知する場合があります。
視線入力は片方の目だけでもできないことはありません。
両目・片目いずれにおいても、画面の端から端まで見ることができる視野と一点を注目し続けることができる安定さが必要です。
3. セッティングと設定
視線入力は基本は椅子に座ってデスクの上でパソコンを扱うようなポジショニングが最も安定します。
ですので身体障害などで座位姿勢が難しい場合、パソコン&視線入力機器の高さ角度を調整します。
パソコン固定用のスタンドなどがあると重宝するかもしれません。
眼振や斜視など視覚に関する障害の場合はまずは機器がその人の視線を検知できるかチェック。
アプリの操作に必要な視線の固定時間を調整したりと設定をその人に合わせていきます。
4. まとめ
以上のように、
・パソコンと視線入力機器の位置の設定
・視線入力によるソフトの動作設定
といった2段階でその人が視線入力をできる環境を整えます。
Tobii Eye Tracker 4C のソフトにはキャリブレーション機能が標準であるので、それでまずはご本人の設定を作りましょう。
あるいは視線入力によるゲームなどを通して、様子を見ながら視線入力に慣れていってもらうことも重要です。