コミュニケーションの対象年齢考察 指さしの発達

質問の指さしとは? 何歳からできる?|子供の発達心理学

公開日:2020年8月3日


 
 

質問・確認の指さしとは?

質問の指さしとは、「これなあに?」といった質問の意図を持った指さしのことです。

具体的には、
例えば子供がお母さんと散歩をしていて、道中で犬に出会ったとします。
このとき、子供が道端の花を指さします。
お母さんが「これはタンポポだよ」と答えると子供が満足をする。

これが質問の指さしです。

質問の指さしは子供の発達のおける指さしの分類の1つです。

 
 
 

質問の指さしは何歳から?

日本教育心理学会の論文や各種資料を参考にすると、

質問の指さしは1歳前後くらいから始まるとされています。

指さしの分類の1つに、
他者が「(絵本の中で)ワンワンどれかなあ?」
と聞くと犬の絵をさす応答の指さしがあります。

質問の指さしは応答の指さしと同じ時期あるいは少し前に獲得される指さしです。

 
 
 

実際の質問の指さしの獲得過程

子供は次第に自分の発見したものや興味のあるものを他者へ伝えたい「叙述の指さし」が始まります。

その後、もっと明確に
「名前を教えてほしい」
「名前を確認したい」といった
質問・確認の意図を持った指さしが始まります。

これが質問の指さしです。

質問の指さしの時期は必ずしも質問だけでなく、確認の意図も含まれます。

そのため

すでに知っている物を確認するような意図で指をさすこともあります。

親からしたら「知っているのになんでわざわざ聞くのだろう」と思うこともあるかもしれません。

しかしながら、

質問・確認の指さしは他者とのコミュニケーションの意味合いもあります。

子供達はこういった質問・確認の指さしを通して他者との相互性やコミュケーション能力を発達させ、より相互的な応答の指さしなどの獲得に向かいます。

 
 
 

おわりに

子供の発達には個人差がありますから、
月齢などはあくまで目安として捉えてもらえれば幸いです。

実生活ではその子自身のペースを大切にしてあげましょう。

先ほど書いた通り質問・確認の指さしはすでに知っている物の名前をあえて聞くような様子も見られます。

これは単純に知識を得るのではなく相手の返答を求めるコミュニケーション意欲の芽生えでもあります。

大人の会話でも、うすうすは知っているけれどあえて聞いてみるシチュエーションってありますよね。

子供にとっても確認の意味で指をさす・言葉を話すというのは大切な行為です。

そのため質問・確認の指さしは別名「交流の指さし」と言われることもあります。

 
 
 

補足記事

 
 
 

参考資料

『自閉症幼児における応答の指さしと言語獲得』(神戸大学学術成果リポジトリ)2020年7月2日検索

『1歳児における叙述の指さしと他者との共有経験理解との関連』(J-STAGE)2020年7月2日検索

『指さし行動の発達的意義』(J-STAGE)2020年7月2日検索

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