心の理論は何歳から?
心の理論は何歳から備わるものなのでしょうか?
目安としては、
心の理論はおよそ4歳頃から身につくとされています。
以下、もう少し詳しく。
「心の理論」とは?
「心の理論」とは他者の心の状態を推測できる力のことです。
心の理論が具体的にどんなものなのか、備わっているか見極めるにはどうしたらいいか。
これらに関しては「サリーとアン課題」をはじめとした誤信念課題を行うことが一般的です。
誤信念課題とは、「『相手が状況によっては間違った判断をすることもあるし正しい判断をすることもある』ということを理解できるか」という点をみる課題です。
で、その誤信念課題で有名なものの1つが「サリーとアン課題」。
サリーとアンが部屋で遊んでいます。
サリーはボールをかごの中に入れて部屋を出ました。
サリーがいない間に、アンがボールを別の箱の中に移します。
サリーが戻ってきてボールを探すとき、どこを探すでしょう?
というのが「サリーとアン課題」。
正解は「かごを探す」。
なぜならサリーはアンがボールを移すところを見ていないからです。
心の理論が備わっていないと、この問題文を聞いていた自分視点でしか考えられないので、「箱の中を探す。だってボールは箱の中だもん」という解答になってしまいます。
心の理論の直観と理屈
そんな「心の理論」は、立命館大学の竹内謙彰氏をはじめとして4歳前後に身につきはじめるとしています。
「心の理論」は4歳前後、すなわち保育園や幼稚園の年少さん頃に身につくとされています。
これは必ずしも「心の理論」を言語化できるということではありません。
先ほどのサリーとアン課題でいくと、
「サリーはボールを移す様子を見ていない。サリーが見たのはかごの中に入っているボール。サリーは部屋に居なかったから、アンがボールを移したことは知らない。だからボールを探すときはかごを探すと予想できる」
といったことがまだ言えなくても、
なんとなく「かごを探すと思う」というのが感覚でわかるということです。
これはけっこう重要な点です。
例えば自閉症をはじめとした発達障害のお子さんはしばしば人の気持ちや状況を読みとることが苦手です。
この背景には心の理論の苦手さがあります。
相手の気持ちや場の空気を、理屈ではなく感覚で理解できる。
むしろ言語化して論理的に説明できるのはその感覚が身についたあと。
というのが健常発達における心の理論が身につく過程でありがちなことです。
まとめ
「心の理論」は4歳前後、すなわち保育園や幼稚園の年少さん頃に身につくとされています。
心の理論がわかるとは、必ずしも言語化できなくても、「なんとなくわかる」という状況でもOKです。
心の理論をみるには誤信念課題が一般的で、有名なものには
- マクシ課題
- サリーとアン課題
- スマーティ課題
などがあります。
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参考資料
『学童期における認知発達の特徴~9,10歳の発達の節目に焦点を当てて~』(立命館学術成果リポジトリ)2019年1月24日検索