脳性麻痺などに伴う重症心身障害や肢体不自由、そのほか身体障害によって活動が制限される場合、パソコンは能力を補ってくれる頼もしい機器になります。
手が不自由で字が書けなくても文字が打てる。
離れた人ともメールなどでコミュニケーションができる。
音声読み上げ機能など情報のインプットを手助けしてくれたりもします。
そのため療育現場や特別支援教育においてパソコンなどのIT機器を導入することは珍しくありません。
【パソコンとスイッチ】
パソコンはマウスとキーボードで操作します。
これはなかなか繊細な動作が必要で、身体障害があると難しい場合があります。
パソコンには標準でマウスやキーボードを使いやすくする設定もありますが、それだけでは限界もあります。
重度の身体障害の場合、パソコンにスイッチをつなげる方法が障害者支援の現場ではポピュラーです。
スイッチを接続して、パソコンをスキャン方式で操作すればごく小さな身体動作でもパソコンを扱うことができます。
補足記事:スキャンとは?
【スイッチ】
一般的にスイッチは以下のようになっています。
これは押しボタン型スイッチです。もっともポピュラーなスイッチですね。
スイッチの種類は以下の記事で詳しく書いています。
スイッチの種類
押しボタンで最も有名なのはこれでしょう。
ジェリービーンスイッチツイストとは?
スイッチがどのような形かも重要ですが、接続のための端子がなんなのかも重要です。
最も使いやすいのが、3.5mmのイヤホンジャック型になっているものです。
現場で使われるスイッチのほとんどはこの形式でしょう。
しかしスイッチをパソコンにそのまま接続しても使えません。
【スイッチをつなげる】
ではスイッチをどのようにつなげたらいいのでしょう?
パソコンとスイッチを中継してくれる機器が必要です。
このような機器の類をスイッチインターフェースと言います。
図で表すのこのような感じです。
パソコンにはUSBの端子で接続するのが一般的です。
ですのでスイッチインターフェースは一方にUSB端子を持ち、もう一方にイヤホンジャックを差し込める穴がある形式が望ましいです。
障害者におけるIT支援においてスイッチインターフェースはなくてはならない存在です。
市販されているスイッチインターフェースで最も有名な物は「できマウス」でしょう。
補足記事:できマウスとは?
【自作できないのか?】
障害者のIT支援にはパソコンが役立つこと。
パソコンを活用する際はスイッチが重要なこと。
スイッチを使うためにはインターフェースが必要なことがわかりました。
インターフェースは市販されていますが、
金銭的な問題があったり、使いたいスイッチの数や状況が異なったりします。
スイッチインターフェースを自作できると選択肢が広がりそうです。
以前、iPadなどのタブレットにスイッチをつなげるためのインターフェースの自作を考えました。
タブレット同様、パソコンにスイッチをつなげる機械も自作できます。
また、インターフェースを買う価格より安く材料が揃います。
パソコンにスイッチをつなげる基本的な解説が終わったので、次回から自作方法を考えていきましょう。
次の記事:パソコン用スイッチインターフェース自作2.コントローラーを使う。